第27回大会を2012年11月23-24日、新潟県長岡市アオーレ長岡市民交流ホールAにおいて開催しました。参加者は会員が89名、シンポジウムへの一般参加者が23名でした。
日時
11月23日(金)午前:幹事会,評議員会 午後:公開シンポジウム,奨励賞授与式及び受賞記念講演,懇親会
11月24日(土)午前・午後:一般研究発表(口頭・ポスター),総会
会場 アオーレ長岡 市民交流ホールA(新潟県長岡市大手通1丁目4番地10)
主催 日本植生史学会 共催: 新潟県立歴史博物館 後援: 新潟県考古学会
大会実行委員 荒川隆史(委員長),加藤正明,渡邊裕之,西本 寛,庄田慎矢,佐々木由香
大会プログラム
11月23日(金)
09:00-10:30 幹事会(市民交流ホールA楽屋)
11:00-12:30 評議員会(市民交流ホールA楽屋)
12:00- 受付開始
13:00-17:00 公開シンポジウム
公開シンポジウム「縄文人と森―越後平野の原風景」
オーガナイザー 荒川隆史(新潟県教育庁)
趣旨:縄文時代の集落では,食料・建材・燃料材など生活に不可欠な物資を森林から調達していた。越後平野の縄文集落からは膨大な数の木材や堅果類が出土し ており,丘陵から離れた居住地でも森林資源を豊富に利用していたことが明らかになっている。低湿地という立地環境のもと,縄文人が森林資源をどのように確 保し利用していたかが問題となっている。そこで,考古学・年輪年代学・植物学による出土資料の分析と,現生林の調査によって得た実証的データとの比較・検 討をつうじ,縄文集落の形成と森林利用について時間・空間的に考察したい。
13:00-13:15 趣旨説明 荒川隆史
13:15-13:50 話題1 縄文の生活を支えた地形環境とは? 卜部厚志(新潟大学)
13:50-14:25 話題2 越後平野の縄文クリ林 吉川昌伸(古代の森研究舎)
14:25-14:35 休憩
14:35-15:10 話題3 建材の年輪が語る縄文の森林とその利用 木村勝彦(福島大学)
15:10-15:45 話題4 遺跡から探る縄文のムラと森 荒川隆史(新潟県教育庁)
15:45-15:55 休憩
15:55-16:55 パネルディスカッション
17:00-17:30 奨励賞授与ならびに受賞記念講演
18:00-20:00 懇親会
11月24日(土)
08:30- 受付
09:00-11:00 口頭発表
口頭発表A「生態,古生態,環境変動」座長:工藤雄一郎
08:45 O-1 辻 誠一郎(東京大)下末吉期の植生史とステージ5陸域スタンダード
09:00 O-2 紀藤典夫*・小野 哲・山田佳輝(北海道教育大)青森県における最終氷期のアスナロの産出とその意義
09:15 O-3 西内李佳*・百原 新(千葉大),大里重人(土質リサーチ),遠藤邦彦(日本大)最終氷期最寒冷期の北関東の低地から丘陵域への針葉樹林の組成分布
09:30 O-4 百原 新*(千葉大),三宅 尚(高知大),植木岳雪(産総研)紀伊半島東部薗の最終氷期最寒冷期の針葉樹林の組成と分布様式
09:45-10:00 休憩
口頭発表B「人と植物の関係史」座長:庄田慎矢
10:00 O-5 工藤雄一郎(歴博)隆帯文土器付着炭化物の分析と晩氷期の土器利用
10:15 O-6 遠藤英子(首都大)土器圧痕の形成過程とタフォノミー
10:30 O-7 中沢道彦*(長野県考古学会)・丑野 毅(東京国際大)レプリカ法による静岡県富士市山王遺跡出土土器の種実圧痕の観察とその評価
10:45 O-8 那須浩郎*(総研大)・大山幹成(東北大)・米延仁志(鳴教大)・猪俣 健(アリゾナ大)マヤ文明の盛衰と植生改変-グアテマラ,セイバル遺跡の植物考古学調査-
11:00-12:00 総会
12:00-12:30 昼食
12:30-14:30 ポスター発表(12:30-13:30 奇数番号,13:30-14:30 偶数番号)
ポスター発表
P-1 三宅 尚・中川 赳(高知大)徳島県黒沢湿原周辺における最終氷期以降の植生変遷と火事
P-2 一木絵理(名古屋大),松本優衣(千葉県),辻 誠一郎(東京大)八戸・上北地域の縄文時代の生態系史
P-3 小椋純一(京都精華大)森林火災跡地に残された微粒炭等炭化物についての基礎的研究(1)
P-4 Nguyen Thi Mai Huong (Institute of Archaeology of Vietnam), Vu Van Phai (Vietnam National Univ.), Sei-ichiro Tsuji (Tokyo Univ.) Environmental change and reconstruction of village ecosystem at Dong Son site, Vietnam
P-5 渡辺彩花・高原 光(京都府立大),林 竜馬(琵琶湖博),竹村恵二(京都大附属地球熱力学研究施設)由布岳南方東石松露頭の微粒炭分析及び花粉分析に基づく最終氷期以降の火事と植生の歴史
P-6 嶋田美咲・高原 光(京都府立大),加三千宣(愛媛大),山本正伸(北海道大),池原 研(産総研),入野智久(北海道大),竹村恵二(京都大附属地球熱力学研究施設),佐川拓也(愛媛大),坂本竜彦(人海洋研究開発機構),池原 実(高知大),武岡英隆(愛媛大)ウイグルマッチング法を用いた高時間分解能の花粉分析に基づく別府湾周辺における2700年間の植生変化と人間活動の歴史
P-7 金原正明(奈良教育大),西田 巌(佐賀市教委),中村俊夫(名古屋大),金原美奈子(古環境研究所)佐賀市東名遺跡の植生復原
P-8 安 昭炫(パレオ・ラボ),辻 誠一郎(東京大)山形県押出遺跡の植生史と縄文人の植物利用
P-9 山本総光・辻 誠一郎(東京大)東北地方北部御所野遺跡における縄文時代以降の集落生態系史
P-10 小畑弘己(熊本大),真邉 彩(鹿児島大)鹿児島県宮之迫遺跡の圧痕調査成果
P-11 中村直子・真邉 彩(鹿児島大),小畑弘己(熊本大),大西智和・福井俊彦(鹿児島国際大),山野ケン陽次郎・惠島瑛子・松﨑大嗣・寒川朋枝(鹿児島大)宮崎県都城市土器圧痕調査からみたアワとキビ
P-12 木村勝彦(福島大),荒川隆史(新潟県教育庁),中塚 武(名古屋大)鳥海山の神代杉による縄文晩期をカバーする年輪酸素同位体比の物差しの作成と実際の適用
P-13 浦 蓉子(京都大)木器の用材選択と植生-弥生から古墳時代における琵琶湖沿岸地域のスギ材利用を中心に-
P-14 高橋 敦・千葉博俊(パリノ・サーヴェイ),久田正弘(石川県埋文)七尾城跡シッケ地区から出土した漆器の樹種選択
P-15 鈴木伸哉(首都大東京),大山幹成(東北大植物園),星野安治(奈文研),能城修一(森林総研)墨田区弘前藩津軽家上屋敷跡から出土した遺構構築材の樹種と年輪幅からみた近世の木材利用
P-16 箱崎真隆(名古屋大),大山幹成(東北大植物園),星野安治(奈文研),吉田明弘・鈴木三男(東北大植物園)東北北部の埋没林・遺跡から出土したアスナロの長期標準年輪曲線構築
P-17 金原正明(奈良教育大),中村慎一(金沢大),鄭雲飛・孫国平(浙江省文物考古研究所),金原正子(古環境研究所)中国長江下流域の稲作文明の植物遺体群
P-18 崔星華・辻 誠一郎(東京大)三陸沿岸陸前高田市域の景観生態系史と復興まちづくり計画
P-19 山崎 健・松井 章(奈文研)文化財レスキューの取り組みと復興関連調査への支援体制の確立
口頭発表B「人と植物の関係史」座長:百原 新
14:30 O-9 渋谷綾子(歴博)現生鱗茎・根茎類のデンプン粒における形態学的特徴―残存デンプン粒の植物同定をめざして
14:45 O-10 上條信彦*(弘前大),渋谷綾子(歴博),山本直人(名古屋大)北陸の縄文後・晩期遺跡から出土した石器と土器付着物の残存デンプン粒
15:00 O-11 吉川純子*(古代の森研究舎),小林和貴(東北大植物園),工藤雄一郎(歴博)下宅部遺跡から出土したウルシ属果実の同定
15:00-15:15 休憩
口頭発表B「人と植物の関係史」口頭発表C「分類,系統,生物地理」座長:大山幹成
15:15 O-12 小林和貴*(東北大植物園)・佐々木由香(パレオ・ラボ)・能城修一(森林総研)・鈴木三男(東北大植物園)出土編組製品における素材植物の同定方法
15:30 O-13 村上由美子*(京都大博)縄文時代におけるコナラ属の木材利用-出土木製品用材データベースの活用例-
15:45 O-14 能城修一*(森林総研),南木睦彦(流通科学大学),鈴木三男(東北大学)縄文時代後・晩期に大阪湾岸に成立したイチイガシ林
16:00 O-15 西本 寛(愛知大)PEG含浸木材の放射性炭素年代測定は可能か