第42回日本植生史学会談話会のご案内(写真up)

第42回日本植生史学会談話会を下記の要領で行います。

◆テーマ
北海道・道東の植生巡検
-道東の消えゆく森?! 根室市春国岱のアカエゾマツ林
-氷河時代の生き残りか?! 別海町西別湿原のヤチカンバ

去年5月の春国岱の写真
           
一昨年11月の春国岱の写真
           

◆内容
【春国岱のアカエゾマツ林】知床半島と根室半島の間の標津,別海は構造的な沈降地帯で,この100年間に最大1.3mも沈降しています。野付半島のトドワラは,60年ほど前はそれでも未だ緑の葉をつけたトドマツがあったそうですが,30年ほど前には既に完全な立ち枯れ状態になり,今では立ち枯れ株も侵蝕されて大部分が失われてしまっています。根室半島の北側に位置する春国岱(しゅんくにたい)の西側(風蓮湖側)では地盤の沈下による地下水位の上昇により順次立ち枯れが進行し,東側(根室海峡側)では冬の季節風による高潮と強風により木々がなぎ倒され,極めて純度の高い美しいアカエゾマツの森がどんどん縮小しています。現在この森がどんな状態にあるのか,そしてその将来をどの様に捉えることが出来るか,森の中でディスカッションします。
【西別湿原のヤチカンバ】北海道には帯広に近い更別町とここ別海町と2カ所のヤチカンバ自生地があります。更別湿原の生育地は乾燥化が進み,本来の生育状態とはかなり違ったものになっていますが,西別湿原ではかなり本来の生育地に近い状態の部分もあります。自生状態を現地で確認し,これが果たして「氷河時代の生き残り」なのか,それを証明するにはどんな研究があり得るのか,そして保全にどんな方策を提案できるのか,湿原の中でディスカッションします。

◆日時
2017年5月19日(金)~5月21日(日)
※なお,本談話会の前後に,希望される方にはオプショナル巡検を計画しています。メニュー候補は,標津湿原(国指定天然記念物),早春の湿地林(山菜採り?),根室半島の台地上のアカエゾマツ林と湿原,屈斜路湖硫黄山のハイマツ林,等々あります。詳細は,danwa42@hisbot.jpへお問い合わせください。
○集合:5/19(金)14:00 根室中標津空港
東京(羽田)12:15 – 根室中標津空港13:55着
札幌(千歳)12:05 – 根室中標津空港12:55着
○解散:5/21(日)12:30 根室中標津空港
根室中標津空港13:25 – 札幌(千歳)14:25着
根室中標津空港14:35 – 東京(羽田)16:30着

◆参加費
10,000円程度を予定(参加人数により変動。宿泊費別。)
※期間中の宿は世話人がまとめて手配しますが,参加者のみなさんの希望をお聞きし,案内していただく鈴木三男さん宅での宿泊も検討中です(宿泊費無料・食費負担・寝袋持参:学生会員を優先します)。

◆申し込み方法
メールの件名を「第42回談話会参加希望」として,次の事項を記載の上danwa42@hisbot.jp 宛へお申し込み下さい。
①氏名,②所属,③連絡先(住所,電話番号,E-mail),④会員/学生会員/非会員の別
申込締切:2017年4月10日(先着順。定員になり次第,締切ります。)
定員:10名

世話人:鈴木三男,小林和貴,箱崎真隆,星野安治,江口誠一
主催:日本植生史学会