第28回日本植生史学会大会のご案内(第1報)

第28回日本植生史学会大会を下記の日程で開催します。

[日時]
11月29日(金)午後: 幹事会
11月30日(土)午前: 幹事会, 評議員会
11月30日(土)午後: 公開シンポジウム, 論文賞授与式及び受賞記念講演, 懇親会
12月01日(日)午前・午後: 一般研究発表(口頭・ポスター), 総会

[会場]
11月29 日(金)・30日(土): 高知市文化プラザかるぽーと(高知市九反田 2-1)
12月01 日(日)高知大学(高知市曙町 2-5-1)

[主催] 日本植生史学会
[共催] 高知大学

[大会実行委員]
三宅 尚(委員長),石川愼吾, 比嘉基紀, 庄田慎矢, 佐々木由香

[公開シンポジウム]
「最終氷期の植生と温帯性樹種のレフュージア」
オーガナイザー 百原 新(千葉大学)・三宅 尚(高知大学)
[趣旨] 最終氷期は地史上、最も新しい寒冷期であり、その最盛期は 2 万年前頃とされる。最盛期とその後の温暖化期は、現在の植生分布や植物種の地理分布の形成に直接、影響を及ぼした時期といえる。最盛期の植生や植物種 の地理分布については、主に中部日本以北の花粉や種実、木材などの植物化石データに基づき議論され、1970-80年代にはいくつかの植生図も提案 された。その後、長尺コアの掘削、年代測定技術の向上、テフラ層序や海洋酸素同位体比編年の進展に伴い、年代観の確かな植物化石データも蓄積してきてい る。また、現生種の遺伝的多様性や遺伝構造から過去のレフュージア(逃避地)を解明する研究も進んでいる。ここでは、近年に得られた植物化石デ ータや現生種の遺伝構造解析データも加味して、中部日本以南を主とする最終氷期最盛期頃の植生分布や温帯性樹 種のレフュージアについて議論を深めたい。

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[巡検のご案内]
テーマ:「室戸岬の植生と植物」(第 36 回日本植生史学会談話会)
内 容: 高知県室戸岬は日本新八景にも選ばれ,古くから景勝地として知られている。また、平成23年には世界ジオパークに認定され、地質学者だけでな く、自然との触れ合いを求める人々の間で脚光を浴びている。本岬の植生は「室戸岬亜熱帯性樹林及び海岸植物群落」として国指定の天然記念物となって おり、丘陵地の照葉樹林のほか、海岸近くの風衝地では海岸低木林や海浜植生がよく保存されている。東部のアコウ-タブノキ群落は、アコウの分布密度 の高い林としては北限に近い存在であり、本岬の特徴的な植生の一つである。植生史学との関連で見ると、花 粉化石や構成種の遺伝構造を調べた研究から、本岬の氷期の沿岸低地はスギや照葉樹(林)のレフュージアと推定 されており、古植物地理的に重要な場所である。この巡検では、金剛頂寺、最御崎寺などの寺叢、岬先端の海岸植 生を中心に、ゆっくりと散策しながら室戸岬の植生と植物について紹介したい。ヤッコソウ、シオギク、アゼトウ ナなどの花々が皆様を快く迎えてくれることでしょう。

[世話人]
三宅 尚

[日程]
12月02日(月)
出発(高知市, 07:30頃)
巡検(金剛頂寺, 室戸岬など)
解散(高知龍馬空港 17:00頃, 高知市 17:40頃)

[参加費]
3,000 円程度(昼食込)

[定員]
30名程度

大会・巡検の申し込み方法等の詳細は9月頃にご案内する予定です。一般研究発表の申し込み締め切りは、10月上旬頃になる見込みです。