第23回大会を2008年11月15-16日に福島県パルセいいざかにおいて開催しました。
参加者は92名でした。
日時
11 月15 日(土) 公開シンポジウム・一般研究発表(ポスター)懇親会
11 月16 日(日) 一般研究発表(口頭・ポスター)・総会
会場 パルセいいざか(福島県福島市飯坂町字筑前27-1, http://www.paruse.jp/)
主催: 日本植生史学会 共催: 福島大学
大会実行委員 木村勝彦(委員長)・大山幹成・箱崎真隆・吉田明弘・山本直人・佐々木尚子
大会プログラム
11月15日(土)
9:00-10:30 幹事会(控室)
11:00-12:30 評議員会(控室)
12:00- 受付
13:00-17:00 公開シンポジウム
公開シンポジウム「環境変動と人間活動による植生の形成を読み解く」
オーガナイザー 辻 誠一郎(東京大学新領域創成科学研究科),佐藤宏之(東京大学人文社会系研究科)
趣旨:20世紀前半に解明された晩氷期以降の植生変遷は,花粉分析という手法と花粉層序という地質学的方法論を用いた成果の一つであった。これらの方法や成果は,その後さまざまな変革を遂げながら,今日的課題である環境変動と人間活動による生態系変動の解明にどのように貢献しているだろうか。このシンポジウムでは,植生史研究の原点に立ち戻って,方法論と成果の歴史を概観し,大きく欠如していた高精度編年論を導入したり,縄文時代以降の人為的生態系解読論の導入を,主として関東から東北地方で展開された具体像を示すことで確かめたい。さらに考古学や民族学において求められる植生史研究とはどのようなものかも検討したい。
13:00 趣旨説明 辻 誠一郎
13:10 S-1 花粉層序と植生史:安 昭炫(東京大学新領域創成科学研究科)
13:50 S-2 更新世から完新世の環境変動とその編年:工藤雄一郎(名古屋大学年代測定総合研究センター)
14:30 休憩
14:40 S-3 縄文時代の植生史と人間活動:人為的な生態系の形成:吉川昌伸(古代の森研究舎)
15:20 S-4 縄文時代中・後期の環境変動と人間活動:國木田 大(東京大学新領域創成科学研究科)
16:10 総合討論
17:00 休憩
17:15-18:00 ポスター発表
18:00-20:00 懇親会
11月16日(日)
口頭発表 A「生態,古生態,環境変動」 座長:高原 光
9:00 O-1 北海道北部・剣淵盆地第2地点から得られたMIS6以降の植生変遷史 五十嵐八枝子*(北方圏古環境研究室)・成瀬敏郎・谷田貝真一(大垣女子短大)・檀原 徹(京都フィッション・トラック)
9:15 O-2 遺跡出土の自然木はどこまで自然なのか?―狭山丘陵の二つの遺跡出土木材による検討 能城修一*(森林総研),佐々木由香(パレオ・ラボ)・鈴木三男(東北大)
9:30 O-3 サロベツ湿原における植生変化のタイミング 紀藤典夫(北海道教育大)
9:45 O-4 ここまでわかった!出雲崎沖海底古木の謎 中田 誠*(新潟大)・細尾佳宏(信州大)・卜部厚志(新潟大)・櫻井敬久・門叶冬樹(山形大)
10:00-10:15 休憩
口頭発表 A「生態,古生態,環境変動」 座長:紀藤典夫
10:15 O-5 ヤクスギの年輪幅と年輪内最大密度を用いた気候復元 安江 恒*・嶋田千春・山瀬啓介(信州大)
10:30 O-6 阿蘇カルデラ東方および西方域における過去約3万年間の植物珪酸体分析 宮縁育夫*(森林総研)・杉山真二(古環境研究所)
10:45 O-7 山陰地域中央部の地域花粉帯の再検討 渡邉正巳(文化財調査コンサルタント)
11:00 O-8 中期更新統大阪層群上部層Ma4以降の海成層の花粉分析から見た環境変遷とブナ属の消長 大井信夫*(ONP研究所)・北田奈緒子(地域地盤環境研究所)
11:15-12:15 総会
12:15-13:00 昼食
13:00-14:30 ポスター発表
口頭発表 A「生態,古生態,環境変動」 座長:能城修一
14:30 O-9 Plant macrofossil assemblages from the Late Quaternary sediments of the Kathmandu valley, Nepal Sudarshan Bhandari* (Tribhuvan Univ。, Paleo Labo), Khum Narayan Paudayal (Tribhuvan Univ。), Arata Momohara (Chiba Univ。)
14:45 O-10 魚沼層群の大型植物化石群から復元される第四紀前半の古環境変化に伴う植物の種多様性の変化 百原 新*(千葉大)・植木岳雪(産総研)・齊藤 毅(名城大)
15:00 O-11 防衛省下北試験場(青森県猿ヶ森)におけるヒバ埋没林の新産地とその樹種組成(速報) 箱崎真隆*・吉田明弘・星野安治・大山幹成・鈴木三男(東北大)
15:15-15:30 休憩
口頭発表 B「人と植物の関係史」 座長:佐々木由香
15:30 O-12 現生植物のデンプン標本と残存デンプン同定への応用 渋谷綾子(総研大)
15:45 O-13 青森県における縄文時代中期のトチノキの利用について 伊藤由美子(青森県埋文センター)
16:00 O-14 葉緑体DNAの解析から推定されるウルシの原産地 田中孝尚*・鈴木三男・米倉浩司(東北大)・能城修一(森林総研)
16:15 O-15 水田雑草種子のタフォノミー:神奈川県葉山町谷戸田での事例 那須浩郎*(総研大)・上中央子(滋賀県立琵琶湖博物館)・佐々木由香・スダルシャン バンダリ(パレオ・ラボ)・菊地有希子(早稲田大)
ポスター発表
A「生態,古生態,環境変動」
P-1 青森県猿ケ森ヒバ埋没林の成因と白頭山?苫小牧テフラ 吉田明弘*・箱崎真隆・星野安治・大山幹成(東北大)
P-2 青森県野辺地の木材化石に基づくMIS1及び3の古植生の復元 山本武能*・吉田明弘・大山幹成(東北大)・吉川昌伸(古代の森研究舎)・鈴木三男(東北大)
P-3 北上山地中央部の櫃取湿原周辺における晩氷期以降の植生変遷 池田重人*・岡本 透・志知幸治(森林総研)
P-4 釧路湿原北東陸地部における微粒炭分析 小椋純一(京都精華大)
P-5 青森県,津軽西海岸における旧期クロスナ層とトチノキ林の形成 安 昭炫*・辻 誠一郎・國木田 大(東大)
P-6 宇治川(京都府)周辺における過去100年間の植生景観の変遷 高原 光*・奥田 賢・高橋温子(京都府大)・小嶋正亮(宇治市歴史資料館)・福島幸宏(京都府総合資料館)
P-7 花粉分析による定量的植生復元の試み-八甲田山における相対花粉生産性および有効花粉飛来範囲の推定 中村琢磨*・大野啓一(横浜国大)・高原 光(京都府大)
P-8 四国南部沿岸域における完新世初頭のヤマモモ型花粉の連続出現 三宅 尚(高知大)
P-9 山梨県兄川のナウマンゾウ化石産出地点の木材化石と古環境 田中義文*・高橋 敦・橋本真紀夫(パリノ・サーヴェイ)
B「人と植物の関係史」
P-10 Taphonomy of weed seeds in paddy field : A case study from a terraced paddy field in a small valley at Nishikubo, Iruma city, Saitama Prefecture Sudarshan Bhandari*, Yuka Sasaki (Paleo Labo), Hiroo Nasu (The Graduate Univ。 for Advanced Studies), Yukiko Kikuchi (Waseda Univ。), Hisako Uenaka (Lake Biwa Museum)
P-11 中世鎌倉の4遺跡から出土した木質遺物に見られる用材傾向 三浦 恵*・鈴木伸哉(早稲田大)・能城修一(森林総研)
P-12 日本橋一丁目遺跡出土木材からみた江戸の町屋の土木・建築用材の変遷 鈴木伸哉*(早稲田大)・能城修一(森林総研)
P-13 現生ブドウ属種子の形状と遺跡出土種実との比較 松元美由紀*・千葉博俊(パリノ・サーヴェイ)
P-14 三宅島における弥生時代の自然環境と火山噴火―坊田遺跡にみる花粉分析結果と集落の衰退― 杉山浩平*(東大)・新堀賢志(環境防災総合政策研究機構)・古環境研究所・鹿野陽子・武内和彦(東大)
P-15 火山噴火罹災地の文化的ランドスケープ復元・保全活用―プロジェクトの紹介と展望― 鹿野陽子*(東大)・平澤 毅(奈文研)・杉山浩平(東大)・Emilia Allevato・Gaetano Di Pasquale(ナポリ大)・青柳正規(国立西洋美術館)・武内和彦(東大)
C「分類・系統,生物地理」
P-16 豊橋市自然史博物館所蔵の中新統設楽層群産植物化石コレクション 吉川博章(豊橋市自然史博物館)
P-17 神戸層群の木材化石フロラ(予報) 半田久美子*(兵庫県立人と自然の博物館)・寺田和雄(福井県立恐竜博物館)
P-18 Miocene woods of Korea Kyungsik Kim, Eun-Kyoung Jeong* (Chonbuk Nat. Univ.), In-Sung Paik (Pukyong Nat. Univ.), Mitsuo Suzuki (Tohoku Univ.), Jong-Deock Lim, Dal-Yong, Kong (Res. Inst. Cultural Heritage)