第22回大会

poster_22

第22回大会を2007年11月17-18日に大阪市立自然史博物館において開催しました。

日時

  • 2007年11月17日(土) 公開シンポジウム・懇親会
  • 2007年11月18日(日) 一般研究発表(口頭・ポスター)・総会

会場

大阪市立自然史博物館

共催

大阪市立自然史博物館

実行委員

塚腰 実(実行委員長: 大阪市立自然史博物館)・佐久間大輔(大阪市立自然史博物館)・南木睦彦(流通科学大学)・大井信夫(ONP研究所)

プログラム

11月17日(土)

  • 9:00-10:30 幹事会(会議室)
  • 11:00-12:30 評議員会(会議室)
  • 12:00- 受付
  • 13:00-16:10 公開シンポジウム 後援: 大阪府教育委員会

テーマ:「100万年,10万年,1万年スケールで見た大阪湾周辺の植生と環境の移り変わり」

趣旨: 大阪湾周辺は鮮新世から更新世にわたって多くの植物化石が産出している大阪層群の堆積域で,日本の鮮新-更新世の植物相変遷史において標準となる地域である。また,琵琶湖,神吉盆地,深泥池など10万年以上の歴史を持つ湖沼や堆積盆があり,連続的な堆積物の花粉分析が行われている。さらに,1万年前以降には沖積平野が発達したため数多くの遺跡が分布し,発掘調査にともなって木材,種実,花粉,植物珪酸体などの植物化石の研究が行われている。したがって,大阪湾周辺は植生・植物相と環境の変遷史を同じ地域で異なる時間スケールからみるのに適した地域だと言える。時間スケールの違いによって,扱う空間スケールや焦点となる検討課題は異なってくるが,スケールは連続的であり,異なるスケールからの視点によって新たな展開も見えてくることが期待できる。

【話題1】大井信夫(ONP研究所)100万年の植生史-大阪湾海成粘土層と周辺地域の化石花粉群をもとに

【話題2】林 竜馬(京都府立大学)10万年の植生史-琵琶湖,神吉盆地,黒田低地の花粉分析からみる気候変動に対する植生の応答

【話題3】辻本裕也(パリノ・サーヴェイ株式会社)1万年の植生史-大阪湾岸地域の考古遺跡における古植生調査をもとに

  • 16:10-16:20 休憩
  • 16:20-16:30 奨励賞・学会賞授与式
  • 16:30-17:00 奨励賞記念講演
  • 17:00-17:30 学会賞記念講演
  • 18:00-20:00 懇親会

11月18日(日)

9:30- 受付

9:45-11:30 口頭発表

「分類・系統,生物地理」

  • 9:45-10:00 O-1 大久保 敦(大阪市大)前期白亜紀東アジアにおける植生の時空分布
  • 10:00-10:15 O-2 南澤 修・松本みどり・百原 新(千葉大)・山川千代美(琵琶湖博)・植村和彦(国立科博)古琵琶湖層群に含まれる2つの植物化石群の組成と、そこから復元される古環境
  • 10:15-10:30 O-3 西田治文・音谷紗絵(中央大)高解像度X線CTによる植物鉱化化石観察の実例と応用への将来性
  • 10:30-10:45 O-4 塚腰 実(大阪自然史博)・南木睦彦(流通科学大)・百原 新(千葉大)大阪市立自然史博物館に収蔵されている三木 茂博士コレクション-植物化石および現生植物のプレパラート標本・液浸標本-

「人と植物の関係史」-1

  • 10:45-11:00 O-5 此松昌彦(和歌山大)・久保田 航・川崎雅史(和歌山県文化財センター)和歌山県有田川町野田地区遺跡における花粉分析からみた植生史
  • 11:00-11:15 O-6 那須浩郎(総合研究大学院大)東アジア新石器時代遺跡におけるイネとアワの同定の重要性:栽培種か野生種か?
  • 11:15-11:30 O-7 上中央子(琵琶湖博)河内平野南部における縄文時代晩期以降の植生変遷-長原・瓜破遺跡を例として-
  • 11:30-12:15 総会
  • 12:15-13:00 昼食
  • 13:00-14:30 ポスター発表

ポスター発表「分類・系統,生物地理」

  • P-1 佐久間大輔(大阪自然史博物館)・塚腰 実・那須孝悌(大阪自然史博)趙 哲済・清水和明(大阪市文化財協会)大阪市立自然史博物館の現世・最終氷期最寒冷期対比植生図について

ポスター発表「人と植物の関係史」

  • P-2 渋谷綾子(総合研究大学院大)日本先史時代の石製加工具におけるデンプン質残留物
  • P-3 佐々木由香(パレオ・ラボ)・能城修一(森林総研)・鈴木三男(東北大)縄文時代の遺跡から出土する編組製品の素材同定
  • P-4 小林克也・松田泰典・北野博司 (東北芸術工科大)古代須恵器窯業における森林利用方法の一考察‐山形県高畠町高安窯跡群を例に‐
  • P-5 井上 淳(大阪市大)・西村 亮・高原 光(京都府大)湿原堆積物を用いた奈良県曽爾高原の過去1,000年間の山焼きの歴史
  • P-6 西村 亮・高原 光(京都府大)・松下まり子(奈文研)近江盆地布施溜周辺における過去3,000年間の植生変遷と人間活動
  • P-7 山口誠治(大阪府文化財センター)都市開発に伴う植生史の変遷 (水生植物の危機)

    ポスター発表「生態,古生態,環境変動」

  • P-8 北川陽一郎・吉川周作(大阪市大)・高原 光(京都府大)・山崎秀夫(近畿大)花粉分析に基づく大阪地域における過去1,500年間の植生変遷
  • P-9 吉田明弘(東北大)・吉木岳哉(岩手県立大)岩手山南東麓春子谷地湿原における約13,000年前以降の古環境の変遷
  • P-10 佐々木尚子(地球研)・高原 光(京都府大)・真鍋智子(沖縄県庁)京都盆地および丹波山地における晩氷期以降の火事史
  • P-11 小椋純一(京都精華大)岡山県北部中国山地における微粒炭分析(1)
  • P-12 中村琢磨・高原 光(京都府大)・大野啓一(横浜国大)湿原の大きさと湿原表層堆積物の花粉組成の関係
  • P-13 池田重人・岡本 透・志知幸治・橋本 徹(森林総研)・若松伸彦(東京農大)栗駒山のオオシラビソ小林分の変遷 -林分内の土壌試料による花粉分析結果-
  • P-14 藤井理恵・酒井治孝(京都大)中央ヒマラヤのカトマンズ盆地堆積物に記録された過去約20万年間の植生・環境変動
  • P-15 江口誠一(千葉中央博)・岡田直紀(京都大)・Somkid Siripatanadilok・Teera Veenin(カセサート大)タイ東北部サケラートにおけるフタバガキ科植物珪酸体の形態と地層からの産状
  • P-16 矢部 淳(福井県立恐竜博)・山川千代美(琵琶湖博)古琵琶湖層群の植物遺体を用いた「植生史研究」体験実習の試み
  • 14:30-15:00 口頭発表

「人と植物の関係史」-2

  • 14:30-14:45 O-8 木村勝彦(福島大・理工)・荒川隆史(新潟県立歴史博)縄文時代晩期出土のクリ木柱の年輪解析
  • 14:45-15:00 O-9 西本 寛(名古屋大)・高田秀樹(能登町教委)・中村俊夫(名古屋大)石川県真脇遺跡出土環状木柱列の14C年代測定
  • 15:00-16:15 口頭発表

「生態,古生態,環境変動」

  • 15:00-15:15 O-10 本郷美佐緒・水野清秀・山口正秋・納谷友規(産総研)関東平野菖蒲コアにおける約45万年前以降の花粉化石群変遷と本邦消滅属ハリゲヤキ属花粉化石の産出状況
  • 15:15-15:30 O-11 渡辺正巳(文化財調査コンサルタント(株)・島根大)山陰地方における完新世のスギの分布
  • 15:30-15:45 O-12 安 昭炫・辻 誠一郎(東京大)山口県「宇生賀コア」の花粉分析からみた過去3万年の植生史
  • 15:45-16:00 O-13 箱崎真隆・木村勝彦(福島大)・吉田明弘・平野信一(東北大)木材化石群集からみた猪苗代湖鬼沼埋没林の古植生
  • 16:00-16:15 O-14 中田 誠・細尾佳宏(新潟大)新潟県中越沖地震後に出雲崎沖の海底に出現した古木の樹種組成